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省エネ住宅

今、国をあげて省エネ住宅を普及させようという動きが強くなっています。1980年に省エネ基準ができました。その後、1990年に次世代省エネ基準ができたのですが、ほとんどの建築業者は無関心でした。むしろ、高気密高断熱住宅を危険なビニールハウスと称し、批判の対象とされ続けました。
しかし、ここ数年、省エネに関する取り組みが強くなってきます。NEDO補助金、ロ・ハウス、健康維持増進、省エネ改修促進税制、超長期住宅先進モデル、長期優良住宅など、多くの取り組みが実行されたり考え方が募集されたりしています。

そして2009年4月に新しい省エネ基準が出る予定です。どんな省エネ基準が出るのでしょうね?

噂ですが、300m2〜2000m2の住宅に対して、省エネ基準へ合致しているかどうかの届出が義務化されるそうです。300m2〜2000m2?100坪以上の住宅ですから、ほとんどの方には関係ないかもしれません。対象はアパートなどです。ちなみに2000m2以上はすでに届出が義務化されています。省エネ基準に合致する住宅の義務はないと考えられますが、大手のアパート分譲メーカーはこの際、次世代省エネや新しい省エネ基準に合致したアパートを建築し、差別化を図ると考えられます。

戸建て住宅よりもアパートの断熱気密性能が高くなる、というわけです。一戸建て住宅に引っ越したら光熱費が跳ね上がった。一戸建て住宅に引っ越したら寒くて暖房が手放せなくなった。一戸建て住宅に引っ越したら各室の温度差が大きくなってしまった。一戸建て住宅に…、夢のマイホームの温熱環境が最低だったら?あまり引っ越したくないですよね。

また、別な噂では年間150棟以上の住宅を建築しているビルダーを対象に、届出の義務化されるというものもあります。一般の建築会社やビルダーには関係なさそうですが、実はこれは建売住宅を対象としたもの。アパート分譲業者同様に大手建売業者も、この際に建売住宅に新次世代省エネ基準を組み込むと考えられます。

今まで温熱環境が最低とされてきた「建売住宅」や「木造アパート」が最先端の省エネ基準に合致する住宅となり、逆にユーザー一人ひとりのためにカスタマイズされたオンリーワン住宅が省エネ基準を満たすことができない住宅として取り残されてしまう可能性が高くなったのです。

安い家賃の木造アパートの方が、土地付で販売されている建売住宅の方が、ずっとずっと高価な注文住宅よりも、高価なオンリーワン住宅よりもずっと温熱環境が良く、省エネでランニングコストが低く抑えられ、アレルギーも少なく快適に過ごせるなんて。さらに、高気密高断熱住宅は資産価値も高めることができますから、中古住宅として販売するときも高く取引をすることができます。

アパートも建売住宅も高気密高断熱化しています。しかし、今でも省エネ住宅=高気密高断熱住宅=窒息ビニールハウスという定義を持ち続けている建築会社の社長も多く、省エネ住宅の普及はまだまだ先と考えられます。住宅が古くなれば隙間風が増えるのは当然だ、といった意見がまだまだ主流の建築業界は、冬は寒いのが当然だと言い切ります。

冬寒いのは当然です。でも、寒かったらどうするのでしょうか?ストーブですか?ファンヒーターですか?エアコンですか?暖房器具を使用すれば、灯油を燃焼すれば二酸化炭素が排出されます。電気はクリーンエネルギーですって?火力発電所は二酸化炭素を排出しますし、風力発電も水力発電も安定したエネルギーの供給ができないため、主力とはなれません。

先日議論した設計事務所の先生は、高気密高断熱には反対だそうです。冬寒いのは当たり前で、寒い冬に暖かい室内環境で過ごしては弱い体になると仰っていました。でも、先生は冬、ファンヒーターで暖かくした事務所で設計図面を書くのです。高気密高断熱の事務所であればもっと少ないエネルギーで暖房できるのに、断熱気密に劣る事務所でファンヒーターを強運転で動かして暖をとるのでしょうか。もし、先生が冬は寒いのが当然と、寒い事務所で図面を書いているのであれば心から尊敬いたします。そう尋ねると「寒かったら当然暖房はつけるよ」と仰っていました。

寒い冬に暖かい室内環境で過ごすのは高気密高断熱住宅に限ったことではありません。むしろ高気密高断熱住宅は温度差の少ない室内環境にいるので、居室(設計士の先生は仕事部屋でしょうね)だけを暖める在来住宅と異なり、暖めすぎる心配がありません。廊下やトイレが寒い在来工法の住宅だと、トイレに行って冷えた体を温めるべく、居室の温度が高くなりがちです。寝室へ行く前に暖房を付けておくのは生活の知恵です。

現在の最先端の考え方に「自立型循環住宅」という考え方があります。風の流れと空気の滞留を利用して、空間を快適な温熱環境にする方法です。この自立型循環住宅も気密断熱という基本スペックは同じです。今、日本の住宅は気密断熱を無視しては語れないのです。

地球は温暖化へ向かっています。ペリト・モレノ氷河が始めて冬に崩壊し、温暖化の影響が強く叫ばれています。少しでもCO2の排出を減らすことが私達の義務となってくる日も遠くはないと考えられます。寒い冬を寒く過ごすことができるのであれば結構です。でももし、寒い冬、寒い室内をファンヒーターや暖房で暖めるのであれば、断熱気密を高めて省エネルギーに貢献してみませんか?
  1. 2008/11/06(木) 21:07:44|
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