モリハウジングの家作りについて
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「かっこいい家」「かっこ悪い家」

最近、箱状のスタイリッシュな住宅を見かける事が多いです。外装材はガルバリウムなどの鉄板系のものと木材を組み合わせたもの。今回はそんな「かっこいい家」についてです。

住宅にも流行があるってご存知でした?

さらにその流行は毎年のように変わっていくのです。

家を見ればその建築した時期がわかります。なぜなら時期によって住宅はあるパターンがあります。10年ちょっと前ぐらいまで住宅は、今のように個性的でなく、あるパターンを踏襲していました。例えば床材、1970年代に建てられた住宅の床材は今と同じ木質のフローリングでも寄木細工のような雰囲気の市松模様が多いです。

1980年代はつやのない、暗めのオーク調の床材が流行しました。90年になってツヤのある、明るい黄色系からナチュラル系のオーク調の床材が流行しています。床材を見るだけでおおよその建築年代がわかるのです。

そして現在、流行の床材は細分化しています。2000年代の前半は明るいオーク系からビーチ系(カバ桜など)の床材へとシフトする一方で、メイプルやオーク系を白く着色した白系の床材、アメリカンチェリーやウォールナットといったダーク系の床材と三つの方向ができています。

一戸建ての住宅はナチュラル系のオーク調⇒深い色(オレンジ系)のビーチ系⇒明るめのビーチ系といった流れが正当進化のようです。マンションなどが白い床材を採用するケースが多く、ここから白い床材が流行して戸建て住宅に入ってきているのが別の流れ、その反発で黒い落ち着いた床材が選ばれるのがもうひとつの流れのようです。

黒い床材はホコリがとても目立ちます。ほんの少し掃除機掛けをサボると白くホコリが目立ってしまうため、マメにお掃除をしなければいけないという欠点があります。

逆に白い床材は案外髪の毛が目立つため、これはこれでマメにお掃除する必要があります。マンションの白い床材も収束に向かいかけているようです。

これからの流れとしてビーチ系や白・黒系の床材がやや落ち着き気味となり、パイン系や杉材などの柔らかい無垢の木材が人気となりつつあるようです。でも、今後はひとつの流れはできずに様々な床材が混在しながら細かく流行と衰退を繰り返していくように感じます。

このように、床材だけとっても流行が目まぐるしく移ろっています。目まぐるしく流行が変化しても、施主様の好みは基本的にはトレンドが基準となっています。コーディネートをする立場が営業マンであってもコーディネーターであっても、今のトレンドをきちんと把握しておかないと本当の好みはわからなくなってしまいます。建築雑誌はこの流行を把握するためにも絶対に必要なアイテムですから、僕達は建築雑誌はもちろん、テレビなどで最新のトレンドをできるだけ多く吸収するようにしています。

今回のタイトルである、「かっこいい家」「かっこ悪い家」ですが、どうやったら「かっこいい家」になり、どうやったら「かっこ悪い家」になるのでしょうか。

流行と「かっこいい家」「かっこ悪い家」は密接な関係にあることは言わずもがな。しかし、「かっこいい」「かっこ悪い」というのは主観的なものです。オーナーであるお客様が「かっこいい家」だと思えばかっこいいのです。そこには私の感覚やオーナー様のお友達の感覚のような客観的なものは入りません。

今回は私の主観による「かっこいい家」「かっこ悪い家」を基準に書かせていただきます。(いつもそうかもしれませんが…)

「かっこいい家」とは、流行の最前線の住宅だと思います。今だと箱状の住宅でしょうか、あまり屋根が尖っていない、軒の出が小さい形状がトレンドとされているようです。ちょうどティッシュの箱を縦にしたような形状の住宅です。

外壁材は鉄板系のガルバリウム素材の角型の波板を用いたもので濃い紺色や黒色でしょうか、白のジョリパッド(塗り壁)を塗ったり、ベランダの外側に木を貼り付けたりすればどうです?今風の住宅の外観になりませんか?

ちょっと前ならシルバーのガルバリウムでしたけれど、最近は黒や紺色が流行のようです。シルバーのガルバリウムは流行りすぎたのでしょうね、下火になってきました。

一方でモリハウジングが推奨している住宅はどうでしょうか?勾配のある屋根に瓦葺き、外壁材はモルタル下地の吹き付け塗装やサイディングで色はクリーム系やアイボリー、白などが多いです。外壁は木目調のサイディングを貼り付けることはあっても木材を使用する頻度はとても少ないです。

かっこいい家を積極的に奨めていません。

なぜなら「かっこいい家」は住みやすい家ではないからです。

例えば、ベランダや外装材の一部に木材を使用する住宅が多く、かっこ良く見えます。でも、古くは日本家屋の外装材はほとんどが木材でした。「下見板」という言葉があります。木材は下から重ねながら貼っていく方法で、古くからある木材による外装の方法です。

しかし、高温多湿の日本の風土、木材は腐ってしまったり痛んで剥がれてしまったり、穴が開いてしまったり。雨漏りを起してしまうことも多いため、サイディング材が考え出されました。木材の外装材の欠点をよく知っていた先人はサイディング材に飛びつき、日本の住宅の外装材があっという間にサイディングによって占有されました。

ところがサイディングの外装材が増えてくると、木材の味のある雰囲気が良いと外装材に木材を使用する住宅が増えてきました。もちろん、「木材を外装材に使用するのが悪い」と言っているわけではありませんよ。ただし、木材を外部に使用するためには、例えば塗装によるメンテナンスが必要だし、外部に使用しても劣化が少ない木材である必要があります。

木材は湿気により伸びたり縮んだりする率が大きいですから、コーキング材も切れやすくなります。こういった部分のデメリットまで設計者がきちんと説明した上での木材の使用なのか、「かっこいい」からという理由だけで選択しているのかは気になるところです。

軒先が出ていない住宅の流行もそうですね。軒先が出ていないと、ほんの少しの雨でも窓を開けることができなくなってしまいます。

例えばモリハウジングが軒先の出が小さい住宅を奨める場合には、親水性がある外装材の使用の場合、雨に当たったほうがきれいになる外装材を使用していますから満遍なく雨水が外装材に当たるように軒の出を小さくします。こうすることで雨水が外装材にあたり、外装材の汚れが落ちます。この時に、日射が居室内に侵入するため、窓ガラスには低放射ガラス(Low-E)を使用し、夏の熱ごもりを抑えます。

もちろん、どうせ建築するのだから「かっこいい家」が良いのは当然のことだと思います。でも、「かっこいい家」であっても住みにくくては本末転倒だとも思うんです。特にトレンド最前線の住宅ほど、色褪せるのも早いです。つまり、飽きるのが早いのです。

トレンド最先端のかっこいい家のベランダにお布団を干せますか?洗濯物は?古い、色褪せたひび割れたプラスチックのピンチやハンガーではちょっと恥ずかしいですよね。でも、天日干しのお布団や洗濯物はフワッと気持ち良いんですよね。

僕達が進めるのはスタンダードな家。オーソドックスな雰囲気の住宅は飽きにくいものです。オーソドックスな形の住宅というものは先人の住みやすさの知恵が盛り込まれているものです。流行最前線の住宅を追い求めるのも良いですが、スタンダードな「かっこいい家」を追求するのも良いものだと思いますよ。

  1. 2008/08/28(木)|
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